福岡県糸島市|創業 1855年|代表銘柄「田中六五(たなかろくじゅうご)」「白糸」
30秒でわかる白糸酒造
福岡市の中心部から車で30分ほど西へ走ると、糸島(いとしま)に着きます。海と山があり、若い移住者のカフェや工房が増え、いま福岡でもっとも人気のある週末の行き先です。
その糸島の、脊振(せふり)山地のふもと。山田錦の田んぼに四方を囲まれた場所に白糸酒造があります。創業は1855年です。仕込み水は名勝・白糸の滝からの伏流水です。
この蔵が特別なのは、搾り方です。日本酒は発酵させた「もろみ」を搾って酒と酒粕に分けますが、白糸酒造は「ハネ木搾り(天秤搾り)」という、いまや日本に数台しか残っていない方法を使い続けています。
一本の長い木の梁と、川から採った石です。もろみを詰めた袋を積み、梁の先に1トンを超える石を吊るして、その重さだけでゆっくり搾ります。機械のポンプで一気に圧をかけるのとは、酒にかかる負担がまったく違います。時間も手間も何倍もかかりますが、この蔵はやめませんでした。
田中六五という名前
主力銘柄「田中六五」は、糸島産の山田錦を精米歩合65%で仕込んだ純米酒です。★(名前の由来は複数の説明が流通しているため、蔵に直接確認のうえ記載すること)
面白いのは、この蔵が「どこまで米を磨いたか」を売りにしていないことです。獺祭が23%まで削る道を選んだのに対し、白糸酒造が選んだのは65%——けっして「磨き上げた高級酒」の数字ではありません。
8代目の言葉が、その理由をよく表しています。
白ご飯のように、いつもさりげなくそばにあって、どんな料理にも合う。
華やかな香りで主役を張る酒ではなく、食事の隣にいて、料理を邪魔しない酒です。この「究極の普通」という考え方は、日本酒の楽しみ方のもうひとつの極です。獺祭のような大吟醸を飲んだあとに田中六五を飲むと、日本酒という飲み物の幅がはっきりわかります。
ペアリングのヒント:糸島は牡蠣小屋(冬)、糸島豚、新鮮な野菜で知られる土地です。田中六五は、その素朴な地元の食事にそのまま寄り添います。
訪問案内
蔵開き「ハネ木まつり」— 訪ねるならこの日
白糸酒造の最大の見どころは、年に数回の蔵開きです。毎年2月と4月に開催され、地元では糸島の風物詩として知られています。★(開催日は毎年変わるため、公式サイトで要確認)
搾りたての新酒、ハネ木搾りの実演、屋台が並びます。地元の人が大勢集まる、観光客向けに整備されたイベントではない本物の祭りです。
★ 通常の蔵見学:常時受け付けているという明確な案内は見つかりませんでした。掲載前に蔵へ直接確認すること。受け付けていない場合は「訪問は直売所と蔵開きの日に」と明記する。
直売所
| 営業時間 | 10:00–16:00 ★ |
| 定休日 | 盆、年始 ★ |
| 買えるもの | 田中六五、白糸、リキュール類 |
| その他 | 国内発送に対応 |
糸島の農産物直売所「伊都菜彩(いとさいさい)」など市内の店でも購入できます。★
アクセス
住所:〒819-1151 福岡県糸島市本1986 電話:092-322-2901
- 電車+バス:JR筑肥線「筑前前原(Chikuzen-Maebaru)」駅 南口 → 昭和バス白糸線「本区」下車、徒歩約1分。バスの本数が少ないため、事前に時刻表の確認を強く推奨します。
- 車:西九州自動車道「前原IC」から約5分です
- 福岡市中心部(博多・天神)から:地下鉄が筑肥線に直通しており、筑前前原駅まで乗り換えなしで行けます ★所要時間は要確認
旅程のヒント:糸島は福岡から日帰りできる観光地です。白糸酒造+海沿いのカフェ+冬なら牡蠣小屋という組み立てが自然で、日本酒だけを目的にしなくても成立します。福岡は韓国・台湾からの旅行者が多く、短い滞在に組み込みやすいのも強みです。
こんな人におすすめ
- 「食事に合う日本酒」を知りたい人
- 手作業の伝統技術を実際に見たい人(ハネ木搾り)
- 大吟醸の華やかさより、米の味そのものが好きな人
- 福岡滞在中に半日で行ける酒蔵を探している人
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵名 | 有限会社白糸酒造(Shiraito Shuzo Co., Ltd.) |
| 創業 | 1855年(安政2年) |
| 所在地 | 〒819-1151 福岡県糸島市本1986 |
| 電話 | 092-322-2901(FAX 092-324-2163 ★) |
| 代表銘柄 | 田中六五/白糸 |
| 使用米 | 糸島産山田錦 |
| 仕込み水 | 脊振山系の伏流水 |
| 搾り | ハネ木搾り(天秤搾り) |
| 公式サイト | http://www.shiraito.com/ |
| オンラインストア | https://shiraito.stores.jp/ ★ |
| 蔵見学 | ★要確認 |
| 直売所 | あり |
| 英語対応 | ★未確認 |