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獺祭 — 山奥の小さな蔵が、世界でいちばん有名な日本酒になるまで

山口県岩国市|法人設立 1948年|代表銘柄「獺祭(Dassai)

30秒でわかる獺祭

もしあなたが日本国外で日本酒の名前をひとつだけ知っているなら、それはたぶん獺祭です。ニューヨークやパリのレストランのリストに載り、各国首脳への贈答品にも選ばれてきました。

しかしこの酒が生まれた場所を見ると、たいていの人は驚きます。山口県岩国市の、山のなかです。最寄りの新幹線駅からタクシーで1時間近くかかる、人口の少ない谷あいの集落です。日本酒の名産地として知られる灘でも伏見でも新潟でもありません。

1980年代、この蔵は倒産寸前でした。地元向けの安い酒が売れず、一度は地ビール事業にも失敗しています。そこから3代目・桜井博志が選んだのは、まったく逆の賭けでした。普通の酒をやめ、最高級の純米大吟醸だけを造ることです。

  • 1990年:精米歩合50%・40%の「獺祭」を発売しました
  • 1992年精米歩合23%の「獺祭 磨き二割三分」を発売しました。当時の日本最高水準です
  • 2000年杜氏制度を廃止しました。季節労働の職人集団に頼らず、社員がデータをもとに酒を造る体制へ移行しています
  • 四季醸造:空調を備え、冬だけでなく一年じゅう仕込みます
  • 2023年:アメリカ・ニューヨーク州で「DASSAI BLUE」の醸造を開始しました
  • 2025年6月:社名を旭酒造株式会社から株式会社獺祭へ変更しました

2024年9月期の売上高は195億円、輸出先は約20か国です。日本酒業界の常識をひとつずつ壊してきた蔵です。

「精米歩合23%」とは何なのか

日本酒のラベルでいちばん重要な数字が精米歩合(せいまいぶあい)です。米の外側を削り、中心部だけを残す割合を示します。

精米歩合23%とは、米粒の77%を削り落とし、残った23%だけで酒を造るという意味です。

米の外側にはタンパク質や脂肪が多く、雑味のもとになります。中心に近づくほど純粋なデンプンになり、澄んだ味と香りが得られます。しかし削れば削るほど原料は高くつき、砕けやすくなり、時間もかかります。獺祭が有名になったのは、当時ほとんど誰もやらなかったこの領域に踏み込み、しかもそれを安定して量産したからです。

飲むと、メロンや洋梨のような香りと、驚くほど軽くきれいな口当たりがあります。日本酒を初めて飲む人に「日本酒はこんなに飲みやすいのか」と思わせる力において、これ以上の酒はなかなかありません。

訪問案内

蔵見学(要予約・英語ガイドあり)

獺祭は、外国人旅行者がきちんと見学できる数少ない有名蔵のひとつです。

予約 公式サイトのカレンダーから(見学日の2か月前〜前日まで)
開催 毎日 10:00 / 14:00 の2回 ★
英語ガイド 13:00の枠で対応 ★(上記の開催時間との関係は要確認)
所要時間 約1時間
料金 1,000円(白衣・お土産込み)/試飲は別途500円
定員 1回5名まで
対象 中学生以上
電話 0827-86-0800(9:00–17:00)

注意事項:飲酒後の来店は見学できません。蔵内は専用シューズに履き替えるため靴下が必要です。床が濡れて滑りやすい場所、10℃以下の部屋があります。強い香水は避けてください(酒の香りを損ねるため)。

見学するのは12階建ての巨大な本社蔵です。「伝統的な木造の酒蔵」を想像して行くと、そのギャップ自体が面白い体験になります。

獺祭ストア 本社蔵

蔵のそばにある直営ショップです。築100年以上の建物を、建築家隈研吾の設計で2016年にリニューアルしたものです。★

住所 〒742-0422 山口県岩国市周東町獺越2128
営業時間 9:00–17:00(月〜日・祝)
電話 0827-86-0800

★ 東京で買いたい場合:直営の「獺祭ストア 銀座」は2024年1月31日に閉店しています。現在の東京・京都の店舗状況は要確認。古い記事を参照して案内しないこと。

アクセス

住所:〒742-0422 山口県岩国市周東町獺越2167-4

  • 新幹線+在来線+タクシー:徳山駅(新幹線)→ JR岩徳線で周防高森駅まで約40分 → タクシー約15分(約2,000円)
  • 飛行機:岩国錦帯橋空港から車で約40〜60分です
  • 新岩国駅からも行けますが乗り換えが多く、徳山駅経由が推奨されています

旅程のヒント:広島から岩国は近く、宮島・原爆ドーム+錦帯橋+獺祭という組み立てが可能です。ただし蔵は市街地から遠いので、レンタカーかタクシーを前提に計画してください。★所要時間は要確認

こんな人におすすめ

  • 日本酒をこれから覚えたい人(基準点として最適)
  • 「精米歩合」を頭ではなく舌で理解したい人
  • 英語で酒蔵見学を受けたい人
  • 伝統産業がテクノロジーとデータで作り変えられる現場を見たい人

買う・持ち帰る

  • 蔵の直営ストアで購入できます。
  • 日本国内では百貨店・空港免税店・大手酒販店で広く入手可能です。★具体的な店舗名は確認のうえ記載
  • 海外へ持ち帰る場合:機内持ち込み不可。預け入れ荷物か空港免税店で。→〈日本酒を海外へ持ち帰る方法〉へリンク
  • 自国でも入手できる可能性が高い銘柄です。現地で買えない蔵限定品を狙うのがおすすめです。★取り扱いの有無は要確認

基本情報

項目 内容
社名 株式会社獺祭(2025年6月1日に旭酒造株式会社から変更)
設立 1948年1月(当地での酒造りは1770年代から)
代表 桜井一宏(4代目)/会長 桜井博志
所在地 〒742-0422 山口県岩国市周東町獺越2167-4
代表銘柄 獺祭(純米大吟醸のみ)
売上高 195億円(2024年9月期)
輸出 約20か国
電話 0827-86-0800
公式サイト https://dassai.com/
蔵見学 可(要予約・有料・英語対応あり)
直営ショップ あり(獺祭ストア 本社蔵)

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