コンテンツへスキップ

いづみ橋 — 海老名の田んぼの隣で、米づくりから日本酒をつくる蔵

  • Sake JP 編集部
泉橋酒造の本社の建物。白い壁の上部に丸い家紋、壁の左に「IZUMIBASHI」の文字があり、小さな屋根の下に茶色の杉玉が吊るされている。建物の角の前を道路が通り、手前に枝を切り詰めた木が立つ
泉橋酒造の本社の建物です(2020年撮影)。Abasaa(User:あばさー) / Public domain / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小(原寸2560×1920))

こんな人におすすめ

  • 東京の近郊で、駅から歩いて行ける酒蔵を探している人(海老名駅から歩いて20〜25分です)
  • 酒蔵の直営ショップで、有料の試飲をしてから日本酒を選びたい人
  • 酒米(sake rice、日本酒づくりに向く米)の田んぼと、酒蔵が並ぶ景色を見てみたい人
  • 予約制のツアーで、酒米の田んぼや精米所を案内してもらいたい人(英語のツアーは、2026年9月30日時点で行っていません)

泉橋酒造について

泉橋酒造(Izumibashi Sake Brewery)は、神奈川県海老名市(Ebina)にある酒蔵です。創業は1857年(安政4年)で、銘柄は「いづみ橋(Izumibashi)」です。社名と銘柄は同じ「泉橋」から来ていますが、銘柄はひらがなまじりの「いづみ橋」と書きます。

泉橋酒造は、地元で酒米を育てるところから、精米、日本酒の仕込みまでを一貫して行っています。蔵はこのやり方を「栽培醸造蔵(saibai jozo gura)」と呼び、この言葉を商標として登録しています。造る日本酒は、すべて純米酒です。

蔵の敷地にある直営ショップ「酒友館(Shuyu-kan)」は、ふだんから訪ねられます。蔵の中を見るツアーは予約制です(2026年9月30日確認。詳しくは「酒蔵の案内」)。

相模川の平野と、丹沢の水

泉橋酒造があるのは、相模川(Sagami River)が運んだ土でできた平野の真ん中です。このあたりの田んぼは「海老名耕地(Ebina Gochi)」と呼ばれ、神奈川県でも有数の米どころです。蔵を営む橋場家は、この土地で400年以上稲作を続けてきた家で、1857年に蔵を構えて日本酒づくりを始めました。蔵のすぐ北側には、酒米を育てる田んぼが広がっています。

蔵からは、地元で古くから信仰されてきた大山(Oyama)をはじめ、丹沢(Tanzawa)の山々が見えます。仕込み水は丹沢山系の伏流水で、硬水です。

銘柄の名前は、かつて蔵の北側を流れ、田んぼの用水路の役目をしていた泉川(いづみがわ)と、橋場家の屋号「橋場」を合わせたものです。

途絶えた米づくりを取り戻す

泉橋酒造の農業は、太平洋戦争を境にいったん途絶えました。蔵が本格的に酒米づくりを再開したのは1996年です。その後、地元の生産者と「さがみ酒米研究会」をつくり、1999年には酒米の山田錦(Yamada Nishiki)と雄町(Omachi)の栽培と仕込みを正式に始めました。2000年に、地元で育てた山田錦を使った最初の商品「恵(Megumi)青ラベル 純米吟醸」を出しています。

2019年度の時点で、さがみ酒米研究会は海老名市・座間市・相模原市にまたがる約46ヘクタールで原料米を育てており、そのうち約8ヘクタールは泉橋酒造が自分で育てています。栽培している品種は、山田錦、雄町、楽風舞(Rakufumai)、神力です。神力以外は、神奈川県の産地品種銘柄です。

いづみ橋のシンボルマークは赤とんぼです。泉橋酒造の田んぼを飛ぶとんぼの姿で、酒米を無農薬・減農薬で育てるという蔵の約束の印です。

手間をかける造り方

泉橋酒造は、原料米をすべて自社で精米しています。田んぼごとに米を分けて管理し、米に合わせて精米の方法を変えています。

米麹(rice koji、蒸した米に麹菌を育てたもの)は、すべて「麹蓋(koji-buta)」という伝統的な道具を使い、少量ずつつくります。

酒母(shubo、発酵のもとになる酵母を育てたもの)は、造る純米酒の半分を「生酛(kimoto)」という昔ながらのやり方で、残りの半分を「速醸酛(sokujo-moto)」という方法でつくっています。生酛は、自然の乳酸菌の力を借りて酵母を育てるやり方です。蔵は、赤身の肉や魚介類、醤油や味噌の料理には生酛の日本酒を、白い肉や白身の魚、塩味や出汁の料理には速醸酛の日本酒を合わせることを考えて、この割合にしています。

もろみ(発酵中の日本酒のもと)を搾る工程は、すべて「槽(fune)」という道具で行っています。

代表的な3つの商品

いづみ橋には多くの商品があり、原料や精米歩合(削ったあとに残った米の割合)は商品ごとに違います。種類はラベルの表示でご確認ください(2026年9月30日確認)。

  • 恵 青ラベル 純米吟醸 — 地元で育てた山田錦だけを使っています。米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削って低温でゆっくり発酵させた「純米吟醸(junmai ginjo)」です。2000年から造り続けている商品です
  • 黒とんぼ 生酛純米酒 山田錦 — 地元の山田錦を生酛で仕込み、2年熟成させた商品です。米と米麹と水だけでつくる「純米酒(junmai-shu)」です
  • 純米大吟醸いづみ橋 山田錦 — 地元産の山田錦を100%使っています。米と米麹と水だけでつくり、米の外側を半分以上削った「純米大吟醸(junmai daiginjo)」です

酒蔵の案内

直営ショップ「酒友館」

酒友館は、予約なしで訪ねられる蔵の直営ショップです。2025年3月22日に、倉庫を改装した新しい建物に移りました。泉橋酒造の日本酒を有料で試飲し、買うことができます。テラス席もあります。

酒友館(2026年9月30日確認)
営業時間 10:00〜18:00
休み お盆の期間と、12月31日〜1月4日
試飲 有料
支払い 現金、クレジットカード、PayPay など
駐車場 18台。大型の観光バスは入れません

車や自転車で来た人は、試飲も飲酒もできません。公共交通機関で行くか、運転する人と一緒に行ってください。

酒蔵見学のツアー(予約制)

泉橋酒造は、個人やグループ向けの貸切ツアーを受け付けています。申し込みはメール(info@izumibashi.com)です。

いづみ橋ツアー 酒蔵ツアー
見るところ 田んぼ・精米所(仕込みをする酒蔵の中には入りません) 田んぼ・精米所・醸造所
受付期間 通年(12月・1月・2月を除く) 10月〜11月と、3月〜4月中旬
内容 動画を使った講座、見学、約5種類のテイスティング 同じ
所要時間 約1時間半 約2時間
人数 1〜24名 1〜24名
料金(税込) 10名まで一律22,000円。以降1名ごとに2,200円 10名まで一律44,000円。以降1名ごとに4,400円

料金と条件は2026年9月30日に確認したものです。日にちを決めた定員制のツアーの予定は、公式サイトの見学ページでご確認ください(2026年9月30日時点では開催予定なし)。旅行会社の団体ツアーへの組み込みは、2026年9月30日時点で対応が難しい状況です。

英語のツアーは、2026年9月30日時点で行っていません。酒友館では、酒米の栽培と日本酒づくりを紹介する英語の動画を見ることができます。

2026年の「蔵開き」は、チケット制で案内されました。次の日程は公式の告知でご確認ください。

行き方

住所:〒243-0435 神奈川県海老名市下今泉5-5-1

  • 海老名(Ebina)駅から歩いて20〜25分です。駅の東口のロータリーからタクシーで約5分です
  • 路線バスの案内は蔵の公式サイトのアクセス案内でご確認ください

営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。

海老名駅の近くにある直営レストラン

泉橋酒造は、海老名駅の西口側で直営のレストラン「サケとアテ 蔵元佳肴 いづみ橋(Sake to Ate Kuramoto Kako Izumibashi)」を営んでいます。2026年7月7日に開店10周年を迎えた店で、いづみ橋のほぼすべての商品と、蔵の味噌・麹・酒粕などを使った料理を出しています。入口では、日本酒や酒器も売っています。所在地は神奈川県海老名市扇町12-33 フィールズ三幸 1階、営業時間は17:00〜22:00、定休日は日曜日・月曜日です(月曜日が祝日の場合は月曜日・火曜日。2026年9月30日確認)。

泉橋酒造のお酒の買い方

蔵の直営の売り場

  • 酒友館(蔵の敷地内)と、サケとアテ 蔵元佳肴 いづみ橋の入口の売り場です(上の「酒蔵の案内」)
  • 泉橋酒造公式通販サイト(shop.izumibashi.com)。送料の案内は日本国内の地域だけで、支払いはクレジットカードか代金引換です。滞在中にホテルで受け取れるかどうかは、注文の前に蔵へご確認ください

いづみ橋を扱う店

蔵は取扱店の一覧を公式サイトで公開しています。北海道から熊本県まで、国内の270店あまりが載っており、神奈川県と東京都の店が特に多くなっています。一覧から、旅の途中で寄りやすい店を選んでいます(2026年9月30日確認)。

地域 店名 所在地
海老名 三河屋 ViNA GARDENS PERCH店 神奈川県海老名市めぐみ町3-1 ViNA GARDENS PERCH 3階 Google マップで開く
横浜 横浜高島屋 神奈川県横浜市西区南幸1-6-31 Google マップで開く
横浜 そごう横浜店 神奈川県横浜市西区高島2-18-1 Google マップで開く
鎌倉 鎌倉山田屋 神奈川県鎌倉市雪ノ下3-8-29 Google マップで開く
小田原 東海キヨスク 小田原駅内 神奈川県小田原市城山1-1-1 Google マップで開く
箱根 箱根ロープウェイ 大涌谷 駅の店 神奈川県箱根町仙石原1251 大涌谷駅1階 Google マップで開く
東京駅 はせがわ酒店 東京駅GranSta店 東京都千代田区丸の内1-9-1 Google マップで開く
東京・銀座 IMADEYA GINZA 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 地下2階 Google マップで開く
東京・新宿 伊勢丹 新宿店 東京都新宿区新宿3-14-1 地下1階 Google マップで開く
東京・押上 はせがわ酒店 東京スカイツリータウン・ソラマチ店 東京都墨田区押上1-1-2 ソラマチ商店街 1階 Google マップで開く
大阪 大阪タカシマヤ 大阪府大阪市中央区難波5-1-5 地下1階 Google マップで開く
京都 タキモト 京都府京都市下京区六条通高倉東入る

ほかの店と各店の電話番号は、一覧でご確認ください。

買うときの注意

  • 取扱いの有無と在庫は店によって違います。限定品や季節の商品は入荷しないこともあるため、訪ねる前に店へご確認ください。
  • 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント

酒蔵情報

項目 内容
蔵名 泉橋酒造株式会社(Izumibashi Sake Brewery Co., Ltd.)
創業 1857年(安政4年)
代表者 橋場友一(6代目蔵元)
所在地 〒243-0435 神奈川県海老名市下今泉5-5-1 Google マップで開く
電話 046-231-1338(FAX 046-233-1452)
代表銘柄 いづみ橋(Izumibashi)
仕込み水 丹沢山系の伏流水(硬水)
公式サイト https://izumibashi.com/
蔵見学 予約制の有料ツアー(英語のツアーは2026年9月30日時点で行っていません)
直売所 酒友館(10:00〜18:00。お盆と12月31日〜1月4日は休み。有料試飲あり)
取扱店の一覧 公式サイトで公開(国内270店あまり・2026年9月30日確認)
英語対応 公式サイトに英語ページあり。酒友館で英語の紹介動画を上映