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天賦 — 砂丘の海辺の町で、焼酎の蔵がつくる日本酒

  • Sake JP 編集部
日置市の吹上浜。夏の青空と白い雲の下、広い砂浜が遠くの山並みまで続き、波打ち際に小さく人影が見える
西酒造のある日置市吹上町の海岸、吹上浜(Fukiagehama)です。Snap55 / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons

こんな人におすすめ

  • 鹿児島県を旅する途中で、鹿児島でつくられた日本酒を探してみたい人
  • 食事と一緒に飲む日本酒に興味がある人
  • 同じ銘柄で、酒米(sake rice、日本酒づくりに向く米)の品種による違いを飲み比べたい人
  • 蔵を訪ねるのではなく、飲むこと・探すことを旅の楽しみにできる人(天賦の蔵の見学の案内は公表されていません)

西酒造について

西酒造(Nishi Shuzo)は、鹿児島県日置市吹上町(Fukiage, Hioki)にある酒造会社です。創業は1845年です。日本酒の銘柄は「天賦(Tenbu)」です。

西酒造は、芋焼酎(sweet potato shochu)の「宝山(Houzan)」のシリーズもつくっています。本格焼酎のほか、日本酒、ウイスキー、ワイン、リキュール、スピリッツの製造と販売を事業としています。この記事で扱うのは、日本酒の天賦です。

天賦は、本社とは別の「日本酒蔵」でつくられています。所在地は同じ吹上町の与倉(Yokura)です。西酒造が日本酒づくりを始めてから、2026年で6年になります。

天賦の蔵の見学の案内は、公表されていません。西酒造は本社で商品を販売していません(2026年9月30日確認)。

東シナ海に面した町

日置市は薩摩半島(Satsuma Peninsula)の中西部にあり、東は県庁のある鹿児島市(Kagoshima City)に接し、西は東シナ海(East China Sea)に面しています。

海沿いには、約50キロメートル続く砂丘の海岸、吹上浜があります。「日本の渚百選」にも選ばれています。アカウミガメ(loggerhead sea turtle)が産卵に来る浜で、春から秋には貝を掘る潮干狩りも行われます。

西酒造は、酒造りを農業のようなものと考えています。代表の西陽一郎(Yoichiro Nishi)さんは、蔵の周りに広がる芋畑や田んぼを見ながら育ちました。

天からの授かりもの

「天賦」は、生まれつき備わっているもの、天から与えられたもの、という意味の言葉です。蔵は「天賦とは」と題したページで、次のように書いています(西酒造「日本酒 天賦」公式サイトより)。

大地の豊かさ、生命の神秘から生まれる酒は、天からの授かりもの。

仕込み水は、鹿児島の大地の地下深くを流れる水脈の水です。西酒造は同じ水を、ミネラルウォーター「HOUMEI」としても売っています。

米は、商品ごとに違います。岡山県赤磐市の赤坂地区で契約農家が育てた「雄町(Omachi)」、兵庫県産の「愛山(Aiyama)」、兵庫県東条地区の「山田錦(Yamada Nishiki)」などを使い分けています。2026年には、山形県の高木酒造(銘柄「十四代」)から譲り受けた酒米「酒未来(Sake Mirai)」で仕込んだ商品もできました。蔵は、研究栽培のための自社の田んぼでも米を育てています。

食事と飲む日本酒

天賦の中心にある商品は「天賦 純米吟醸」です。米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削って低温でゆっくり発酵させた「純米吟醸(junmai ginjo)」です。蔵はこの商品で目指すものを、食事と一緒に飲む日本酒、つまり「食中酒(shokuchu-shu)」としています。甘み、辛み、酸味、苦み、渋みがひとつにまとまった、やわらかな味わいを狙っています。

このほかの商品は次のとおりです(2026年9月30日確認)。

  • 天賦 純米吟醸 赤磐雄町 搾立生酒 — 雄町だけでつくる純米吟醸です。搾ったあと一度も火入れ(加熱殺菌)をしていない「生酒(namazake)」です。年に一度だけの限定出荷で、2026年は4月に出荷が始まりました
  • 天賦 純米吟醸 播州愛山 — 愛山だけでつくる純米吟醸です
  • 天賦 純米吟醸 羽前酒未来 — 酒未来だけでつくる純米吟醸です
  • 天賦 純米大吟醸 — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を半分以上削った「純米大吟醸(junmai daiginjo)」です。兵庫県東条地区の山田錦を使っています
  • 天賦 純米酒 — 米と米麹と水だけでつくる「純米酒(junmai-shu)」です。300mlの小さな瓶です

「天賦」には複数の商品があり、原料や造りは商品ごとに違います。種類はラベルの表示でご確認ください。

「天賦 純米吟醸」は、SAKE COMPETITION 2026(主催:SAKE COMPETITION実行委員会)の純米吟醸部門でGOLDを受けています。

小さな仕込みを、一年を通して

天賦の蔵では、1回に仕込む量を小さくし、一年を通して日本酒を仕込んでいます。麹(koji、蒸した米に麹菌を育てたもの)づくりでは、蒸した米を麹室(koji room)で広げ、手でもみながら温度と湿度を整えます。酵母を増やす「酒母(shubo、発酵のもと)」は、約2週間かけて育てます。

天賦の蔵には、毎年、奈良県の三輪(Miwa)の杉でつくった杉玉(sugidama、杉の葉を束ねた球)を掛けています。杉玉は、新しい日本酒ができたことを知らせる印です。

酒蔵の案内

天賦の蔵(日本酒蔵)の見学の案内は、公表されていません(2026年9月30日確認)。西酒造は本社で商品を販売していません。

蔵を訪ねる予定がなくても、天賦を扱う酒販店があります。買える場所は「西酒造のお酒の買い方」をご覧ください。

営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。

西酒造のお酒の買い方

西酒造は、取扱店・特約店の一覧を公開していません(2026年9月30日確認)。近くの販売店は、蔵に問い合わせると紹介してもらえます。問い合わせは、公式サイトのお問い合わせフォームから送れます。会社の電話番号は099-296-4627です。

蔵の公式オンラインショップ「蔵直CLUB」は、日本国内への配送だけを受け付けています。2026年9月30日の確認時点では、購入できる天賦の商品は載っていませんでした。

酒販店のオンラインショップにも、天賦を載せている店があります。いずれも店のサイトで取扱いを確認したもので、蔵の特約店かどうかは確認していません。

店 所在地 店のサイト
はせがわ酒店 東京都港区(オンライン店の販売場) 天賦 純米吟醸
横浜君嶋屋 神奈川県横浜市南区 天賦/西酒造

買うときの注意

  • 天賦という銘柄には複数の商品があり、原料や造り方は商品ごとに違います。種類はラベルの表示でご確認ください。
  • 取扱いの有無と在庫は店によって違います。限定品や季節の商品は入荷しないこともあるため、訪ねる前に店へご確認ください。
  • 生酒は、ラベルに表示された保存方法に従って保管してください。
  • 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント

酒蔵情報

項目 内容
蔵名 西酒造株式会社(Nishi Shuzo Co., Ltd.)
創業 1845年(弘化2年)
代表者 代表取締役社長 西陽一郎
所在地 〒899-3309 鹿児島県日置市吹上町与倉4970-17(本社) Google マップで開く
日本酒蔵 鹿児島県日置市吹上町与倉3142-10 Google マップで開く
電話 099-296-4627(FAX 099-296-4260)
日本酒の銘柄 天賦(Tenbu)
公式サイト https://www.nishi-shuzo.co.jp/ (天賦:https://www.nishi-shuzo.co.jp/tenbu/)
蔵見学 案内は公表されていません
直売 本社では販売していません
取扱店の一覧 公開されていません(2026年9月30日確認)
英語対応 公式サイトに天賦の英語ページがあります。蔵での英語対応は公表されていません