
こんな人におすすめ
- 料理と一緒に飲むための日本酒を探している人
- 仙台や東京の酒販店で、宮城県の日本酒を買って帰りたい人
- 冷蔵での品質管理にこだわる蔵の日本酒を、新しい状態で飲んでみたい人
- 蔵を訪ねるのではなく、飲むこと・探すことを旅の楽しみにできる人(新澤醸造店は、一般の蔵見学を受け入れていません)
新澤醸造店について
新澤醸造店(Niizawa Jozoten)は、宮城県の蔵です。本社は大崎市三本木(Sanbongi, Osaki)にあり、日本酒は柴田郡川崎町(Kawasaki)の「川崎蔵」でつくっています。代表銘柄は「伯楽星(Hakurakusei)」と「愛宕の松(Atago no Matsu)」です。「愛宕の松」は、ひらがなで「あたごのまつ」と書く商品もあります。
創業は1873年です。英語の社名は NIIZAWA SAKE BREWERY で、公式サイトには英語のページもあります。
蔵見学はできません。一般の人の蔵見学は受け入れていません(2026年9月30日確認)。
大崎から川崎町へ
新澤醸造店は、創業から長く大崎市三本木で日本酒をつくってきました。1925年、摂政宮(のちの昭和天皇)の前で、地元の水田地帯「大崎耕土(Osaki Kodo)」について話す機会があり、それを記念して、愛宕山に根を張る松にちなんで、創業のころから続く主な銘柄の名前を「愛宕の松」に改めました。地元の米を使い、地域に根づいた日本酒を目指す銘柄です。
2011年の東日本大震災で、三本木の蔵3棟と、家族の住まいがすべて全壊と判定されました。新澤醸造店は、本社を大崎市に残したまま、約70キロメートル離れた川崎町に酒蔵を移しました。同じ年に、いまの代表取締役の新澤巖夫(Niizawa Iwao)さんが5代目の社長に就いています。
川崎蔵での日本酒づくりの責任者である杜氏(toji)は、渡部七海さんです。渡部さんは入社3年目の2018年に、22歳で杜氏の役割を新澤社長から引き継ぎました。蔵は、年齢や経歴、性別に関係なく、蔵人どうしが意見を出し合って日本酒をつくることを方針にしています。
食事と合わせる伯楽星
「伯楽星」は、新澤社長が蔵に戻ったあと、2002年に立ち上げた銘柄です。蔵はこの日本酒を「究極の食中酒」と呼んでいます。「食中酒」は、食事をしながら飲む日本酒、という意味です。目指す日本酒を、蔵は次のように書いています(新澤醸造店 公式サイト「究極の食中酒とは」より)。
「料理の素材そのものが持つ力を引き出し、食事をよりおいしく感じさせる酒」 「糖度を低めに設定し、インパクトはないものの、気がつくと2杯3杯と飲み進められる酒」
伯楽星は、蔵の「愛宕の松」や、よく飲まれているほかの日本酒と比べて、糖度を半分ほどに低く設定しています。名前は、「千里の馬は常にあれども、伯楽は常にあらず」という言葉と、伯楽が育てた名馬が天に昇ったという地元の伝説に由来します。伯楽は、古代中国の、馬の良しあしを見分ける名人です。
代表的な商品を挙げます。
- 伯楽星 特別純米 — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削った「特別純米酒(tokubetsu junmai-shu)」です。冷やしても、燗(kan、温めて飲むこと)にしても楽しめる商品です
- 伯楽星 純米吟醸 — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削って低温でゆっくり発酵させた「純米吟醸(junmai ginjo)」です。冷やして飲むよう勧められています
「伯楽星」「愛宕の松」には、このほかにも多くの商品があります。原料や造りは商品ごとに違うため、種類はラベルの表示でご確認ください。
冷やして届ける
新澤醸造店は、できあがった日本酒を、高価格の商品からカップ酒まですべて、マイナス5℃の冷蔵庫で保管しています。ほとんどの日本酒は加熱殺菌(火入れ、hiire)を1回だけにしていて、2回火入れをする商品はありません。一度も火入れをしない「生酒(namazake)」は、品質が変わりやすいため、冬の間だけ出しています。取引のある酒販店にも、冷蔵での管理を求めています。
一年を通して売る商品は、夏はすっきりと、冬はしっかりと、季節で味わいを変えて出荷しています。蔵は年に1回、全国の特約店(蔵と取引契約を結んだ酒販店)と飲食店を車で回り、季節に合わない商品が並んでいれば回収して交換しています。
精米には、玄米の長さや幅よりも厚みの方向を中心に削る「扁平精米(henpei seimai)」の精米機と、精米歩合(元の米の重さに対して、残した部分の割合)1%未満まで米を削れる精米機を使っています。
新澤醸造店の川崎蔵の「あたごのまつ」は、令和7酒造年度全国新酒鑑評会(酒類総合研究所・日本酒造組合中央会)で入賞しています(2026年5月20日発表)。
酒蔵の案内
新澤醸造店は、一般の人の蔵見学を受け入れていません(2026年9月30日確認)。蔵の直売所についての案内もありません。
宮城県で日本酒を楽しむなら、下の「お酒の買い方」にある仙台の特約店を訪ねる方法があります。
新澤醸造店のお酒の買い方
新澤醸造店は、日本酒を特約店で売っています。公式サイトの「お酒を買えるお店」で、都道府県ごとに店を探せます。一覧には、北海道から九州までの149店が載っています(2026年9月30日確認)。蔵の公式オンラインショップはありません。
旅行者の動線にある主な店を挙げます(取扱店は蔵の公式一覧〔2026年9月30日確認〕による)。店によって、扱う銘柄が違います。
| 地域 | 店名 | 所在地 | 扱う銘柄 | 店のサイト |
|---|---|---|---|---|
| 大崎(本社の地元) | 地酒 宅の店 よしき | 宮城県大崎市古川千手寺町1-7-2 Google マップで開く | 伯楽星・愛宕の松 | 一覧に記載なし(電話 0229-22-0729) |
| 仙台 | はくさん 仙台中央店 | 宮城県仙台市青葉区中央4-2-27 510ビル1階 Google マップで開く | 伯楽星・愛宕の松 | https://hakusann.com/ |
| 仙台 | 藤崎(百貨店) | 宮城県仙台市青葉区一番町3丁目2-17 Google マップで開く | 愛宕の松 | https://www.fujisaki.co.jp/ |
| 東京 | はせがわ酒店 東京駅GranSta店 | 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅構内B1 Google マップで開く | 伯楽星・愛宕の松 | https://www.hasegawasaketen.com/ |
| 東京 | IMADEYA GINZA | 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX B2F Google マップで開く | 伯楽星・愛宕の松 | https://imadeya.co.jp/pages/corporate/ |
| 東京 | 地酒専門 四谷 鈴傳 | 東京都新宿区四谷1-10 Google マップで開く | 伯楽星・愛宕の松 | http://suzuden-sake.com/ |
| 大阪 | 酒のやまもと 大阪店 | 大阪府大阪市中央区島之内2-6-32 Google マップで開く | 伯楽星・愛宕の松 | http://sakenoyamamoto.main.jp/ |
| 京都 | きたむら酒食品店 | 京都府八幡市八幡柿ヶ谷14-111 Google マップで開く | 伯楽星・愛宕の松 | https://www.kitasake.com/ |
このほかにも、宮城県に36店、東京都に24店など、全国に特約店があります。ここに載せなかった店は、蔵の公式一覧でご確認ください。取扱いのある商品と在庫は店ごとに違い、季節の商品は入れ替わるため、訪ねる前に店へお問い合わせください。
買うときの注意
- 生酒は冬だけの商品です。保存はラベルと店が勧める方法に従ってください。常温で持ち歩いても急に品質が落ちることはありませんが、宿に着いたら冷蔵庫でよく冷やしてからお飲みください。
- 開けたあとはすぐに冷蔵庫に入れ、早めに飲み切るよう蔵は勧めています。
- 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント
酒蔵情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社新澤醸造店(NIIZAWA SAKE BREWERY CO.,LTD.) |
| 創業 | 1873年(明治6年) |
| 代表者 | 代表取締役 新澤巖夫 |
| 所在地 | 本社:〒989-6300 宮城県大崎市三本木字北町63番地/川崎蔵:宮城県柴田郡川崎町大字今宿字小銀沢山1番地115 Google マップで開く Google マップで開く |
| 電話 | 0229-52-3002(本社。FAX 0229-52-5226) |
| 代表銘柄 | 伯楽星(Hakurakusei)/愛宕の松・あたごのまつ(Atago no Matsu) |
| 杜氏 | 渡部七海 |
| 公式サイト | https://niizawa-brewery.co.jp/ (英語ページ https://niizawa-brewery.co.jp/en/ ) |
| 蔵見学 | 不可(一般の見学は受け入れていません) |
| 直売 | 案内なし。公式オンラインショップもありません |
| 取扱店の一覧 | 公開(「お酒を買えるお店」149店、2026年9月30日確認) |