
こんな人におすすめ
- 全国に正規販売店がある銘柄から、日本酒を飲み始めたい人
- 予約なしで立ち寄れる、無料の蔵見学と試飲を探している人(案内は日本語のみです)
- 冬から春に新潟を旅して、日本酒づくりの工程を見てみたい人(要予約)
- 日本酒のほかに、昭和初期の和洋折衷の邸宅も見たい人(4月〜11月)
朝日酒造について
「久保田(Kubota)」は、新潟県長岡市(Nagaoka)の朝日酒造(Asahi-Shuzo)がつくる日本酒の銘柄です。蔵の名前と銘柄の名前が違うため、店では「久保田」、蔵を訪ねるときは「朝日酒造」と覚えておくと迷いません。山口県で「獺祭」をつくる株式会社獺祭(旧社名・旭酒造)とは別の会社です。
朝日酒造は1830年、朝日村の小さな酒蔵「久保田屋」として始まりました。蔵のある朝日の地名から名付けた銘柄「朝日山(Asahiyama)」は、明治時代の半ばに生まれ、新潟の地元で長く飲まれてきました。1920年に株式会社となり、現在の社名になっています。
1985年、当時の社長・平澤亨と工場長・嶋悌司が、創業時の屋号をとった新しい銘柄「久保田」を発売しました。都会に暮らす人の好みが変わり、地元での需要が減っていた時期です。そこで打ち出したのが「淡麗辛口(tanrei karakuchi)」です。「淡麗」はすっきりと軽いこと、「辛口」は甘さが控えめでドライなことを指します。日本酒の「辛口」は、唐辛子の辛さや塩辛さのことではありません。
雪どけ水と、新潟生まれの酒米
蔵がある長岡市の越路(Koshiji)地域は、里山に囲まれ、田んぼが広がる土地です。冬に積もった雪は、春に解けて地層にしみ込み、ろ過されて地下水脈になります。朝日酒造はその地下水を汲み上げて、仕込み水にしています。硬度の低い、やわらかな水です。
米は、新潟県生まれの酒米「五百万石(Gohyakumangoku)」が中心です。蔵は「農醸一貫」、つまり米づくりから日本酒づくりまでを一貫して手がけることを掲げています。1990年には農業法人「有限会社あさひ農研」を設け、酒米を自ら育てています。久保田に使う五百万石も、多くは地域の契約農家が栽培しています。
造り手は、新潟の杜氏(toji、蔵の日本酒づくりを統括する責任者)の集団「越後杜氏」の流れをくむ人たちです。朝日酒造では、杜氏の経験による判断を生産管理の担当者がデータで捉え、蔵内の研究センターで米や酵母の研究も進めています。
久保田の主な商品
久保田は、特定名称(原料と米の削り方による区分)の違う商品をいくつも含むブランドです。種類はラベルの表示でご確認ください。代表的な商品は次の3つです。
- 久保田 千寿(Senju) — 米の外側を4割以上削り、少量の醸造アルコールを加えた「吟醸(ginjo)」です。香りは穏やかで、すっきりした軽い味わいの、食事と合わせる吟醸酒です。
- 久保田 百寿(Hyakuju) — 米の外側を4割削り、少量の醸造アルコールを加えた「特別本醸造」です。久保田の「基本形」と位置づけられた商品で、香りは控えめで、飲んだ後にドライさを感じる味わいです。
- 久保田 萬寿(Manju) — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を半分以上削った「純米大吟醸(junmai daiginjo)」です。華やかな香りと重みのある味わいが重なり、うまみ・甘み・酸味が調和します。
酒蔵の案内
朝日酒造は、蔵見学を受け付けています。 通年の20分コースは予約不要・無料です。案内は日本語のみで、日本語以外のお客は通訳の同伴を求められます(いずれも2026年9月30日確認)。
20分見学コース(通年・予約不要)
| 内容 | エントランスホールでの案内、日本酒づくりと商品の説明、試飲 |
| 案内時間 | 11:00/12:00/13:00/14:00 |
| 所要時間 | 約20〜30分 |
| 料金 | 無料 |
| 受付 | 当日、蔵の前の売店「酒楽の里 あさひ山」で。10名以上の団体は要予約 |
| 休み | 毎月第3土曜日、年末年始 |
60分見学コース(12月〜4月下旬・要予約)
日本酒をつくる時期だけの、製造工程を見るコースです。麹の香りと手ざわりを確かめ、もろみ(発酵中の日本酒のもと)を観察し、搾りたての原酒(水を加えてアルコール分を調整していない日本酒)を試飲します。
| 開催 | 月曜・土曜・日曜・祝日の13:30(年末年始は休み) |
| 所要時間 | 約60分 |
| 料金 | 無料 |
| 予約 | 見学日の60日前から、公式の予約ページで受け付け |
| 人数・対象 | 1〜15名。小学校高学年以上 |
見学前の飲酒はできません。白衣と帽子を着け、アクセサリーと香水・整髪料は控えます。製造現場での撮影はできません。階段を使い、雪の時期は防水の靴が勧められています。
松籟閣(4月〜11月)
松籟閣(Shouraikaku)は、朝日酒造の創立者・平澤與之助が昭和初期に建てた邸宅です。日本家屋にステンドグラスや丸窓、シャンデリアを取り入れた建物で、2018年に国の重要文化財に指定されました。開館は4月〜11月の11:00〜15:00、休館日は火曜日と木曜日で、入館は無料です。土日祝日にはガイドによる案内があります。行事や悪天候などで休館することがあります(2026年9月30日確認)。
売店と食事処
蔵の前の「酒楽の里 あさひ山」は、朝日酒造の直営店です。無料の試飲のほか、飲み比べの有料試飲もあります。営業は10:00〜18:00で、休みは元日です。隣の食事処「あさひ山 蛍庵」は11:00〜17:30の営業です(ランチは15:30まで。いずれも2026年9月30日確認)。見学をしなくても利用できます。
アクセス
住所:〒949-5494 新潟県長岡市朝日880-1
- 電車:JR東日本(JR East)信越本線の来迎寺(Raigoji)駅から徒歩15分です。列車の本数は少ないため、JR東日本の時刻表で往復とも確かめてください
- タクシー:上越新幹線(高速鉄道)の停まるJR長岡駅から約30分です
- 車:関越自動車道の長岡インターチェンジから約15分です。駐車場は約20台です
営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。
朝日酒造のお酒の買い方
正規販売店は、蔵の「販売店一覧」で都道府県別に探せます。蔵の直営店は3つあり、久保田・朝日山などを扱っています(2026年9月30日確認)。
- 酒楽の里 あさひ山(蔵の前)— 上の「売店と食事処」をご覧ください
- 酒楽の里 あさひ山 長岡駅ナカ店(JR長岡駅の駅ビル CoCoLo長岡 1階)— 10:00〜19:30。試飲カウンターがあります
- 久保田 NIIGATA(JR新潟駅の CoCoLo新潟 2階)— 10:00〜20:30
駅の2店は、元日と駅ビルの休館日(年2回)が休みです。
公式オンラインショップ「朝日酒造オンラインショップ」は、海外への発送に対応していません。転売目的の購入や、海外転送サービスを使った購入もできません。
海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント
酒蔵情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 朝日酒造株式会社(Asahi-Shuzo Sake Brewing Co., Ltd.) |
| 創業 | 1830年(天保元年)。1920年に株式会社として創立 |
| 代表者 | 代表取締役社長 細田康(Hosoda Yasushi) |
| 所在地 | 〒949-5494 新潟県長岡市朝日880-1 Google マップで開く |
| 電話 | 0258-92-3181(代表)/見学担当 0258-92-5578(平日10:00〜17:00) |
| 代表銘柄 | 久保田/朝日山 |
| 公式サイト | https://www.asahi-shuzo.co.jp/ (英語 https://www.asahi-shuzo.co.jp/global/en/ ) |
| 見学 | 可(20分コースは予約不要・無料/60分コースは12月〜4月下旬・要予約・無料)。案内は日本語のみ |
| 直営の売店 | あり(酒楽の里 あさひ山/同 長岡駅ナカ店/久保田 NIIGATA) |