
こんな人におすすめ
- 佐賀や福岡に泊まり、平日に予約して酒蔵を訪ねたい人(見学は無料・要予約。試飲は有料です)
- 明治から昭和に建てられ、いまも使われている酒蔵の建物を見てみたい人
- 米と米麹と水だけでつくる日本酒を、食事と合わせて飲んでみたい人
- 5月下旬から6月上旬に佐賀を旅し、夜に蛍を見たい人
天山酒造について
天山酒造(Tenzan Sake Brewery)は、佐賀県小城市(Ogi)にある酒蔵です。代表銘柄は、蔵の名前と同じ「天山(Tenzan)」と、2001年に始めた「七田(Shichida)」です。九州の中だけで流通する「岩の蔵(Iwanokura)」という銘柄もあります。
七田(しちだ)は、この蔵を営む一族の名字です。1861年に七田家が水車を使った製粉・製麺業をこの場所で始め、1875年に七田利三・ツキ夫妻が近くの酒蔵を買い取って日本酒づくりを始めました。2025年に、日本酒づくりを始めてから150年を迎えています。
蔵見学は、予約をすれば平日にできます。ただし、日本酒をつくっている製造の現場には案内されません(2026年9月30日確認)。
天山の水と、佐賀の米
天山(Mt. Tenzan)は、佐賀県の中央部にある山です。蔵の前を流れる祇園川(Gion River)は、天山とそのまわりの山々の水を集める川です。仕込み水には、天山の中腹から湧く伏流水を使っています。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含み、鉄分を含まない、中程度の硬さの水です。
祇園川は、ゲンジボタルの見られる川として知られています。例年5月下旬から6月上旬の夜に蛍が飛び、天山酒造の近くも観賞できる場所のひとつです。
原料の米は、約8割が佐賀県産です。中心は酒米(日本酒づくりに向く米)の「山田錦(Yamada Nishiki)」と「さがの華(Saga no Hana)」です。蔵は2005年に佐賀県の農家と「天山酒米栽培研究会」をつくり、山田錦を契約して育ててもらっています。研究会では年に数回の勉強会を開いています。
蔵の建物のうち「明治蔵」「大正蔵」「昭和蔵」と、精米の動力に使った鉄製の水車とその水路は、国の登録有形文化財です。明治蔵・大正蔵と水車・水路は、2003年に登録されました。水車は、祇園川から引いた水で回し、精米機を動かしていたものです。
七田という日本酒
「七田」は、6代目の蔵元である七田謙介さんが2001年に立ち上げた銘柄です。蔵が認めた特約店(蔵と直接取引している酒販店)だけで扱う銘柄です。七田の日本酒は、どれも米と米麹と水だけでつくる純米酒です。七田の名前の焼酎もあります。
七田の造りの基本は、搾ったあとに水を加えず、活性炭による濾過もしないことです。そのうえで火入れ(加熱による殺菌)を1回して、低い温度で瓶に詰めたまま貯蔵しています。火入れをしない「無濾過生」の商品など、造りの違う商品もあります。
2つの商品を挙げます。
- 七田 純米 — 米と米麹と水だけでつくる「純米酒(junmai-shu)」です。原料米は山田錦とレイホウで、七田の標準の商品です。冷やしても、温めても飲めます
- 七田 純米吟醸 江里山 棚田米 — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削って低温でゆっくり発酵させた「純米吟醸(junmai ginjo)」です。蔵の地元、江里山(Eriyama)の棚田のさらに奥で育てた山田錦だけを使っています
原料や造りは商品ごとに違うため、種類はラベルの表示でご確認ください。
蔵では1995年から、季節ごとに働きに来る職人ではなく、社員が日本酒をつくる形へ少しずつ移ってきました。いまの杜氏(toji、日本酒づくりの責任者)は後藤潤さんです。後藤さんは、蔵のサイトに次の言葉を寄せています(天山酒造 公式サイト「酒造りの環境」より)。
もろみも一本一本個性があり、造る人においても同じです。自分自身も含め個性を生かす酒造りを続けていきます。
もろみ(moromi)は、タンクの中で発酵している日本酒のもとです。
酒蔵の案内
天山酒造は、予約制の蔵見学を受け付けています(2026年9月30日確認)。見学できるのは、改修して来場者に開いている蔵の一部です。製造の現場には案内されません。流れは、説明、見学、試飲、直販ストア(蔵の売店)の順で、あわせて約40分です。
| 蔵見学(2026年9月30日確認) | |
|---|---|
| 開催日 | 月曜〜金曜(蔵の営業日のみ)。12月は見学を受け付けていません |
| 時間帯 | 午前 9:30〜11:30/午後 14:00〜16:00 |
| 所要時間 | 約40分(試飲を含む) |
| 料金 | 見学は無料。試飲は有料(料金は公表されていません) |
| 人数 | 1〜20名。貸し切りではなく、ほかのグループと一緒に見学します。案内の担当者がつかず、自由に見学する場合もあります |
| 予約 | 公式サイトの予約フォームから。見学日の1か月前の同じ日から受け付け、見学日の1週間前までに申し込みます。電話では予約できません。蔵からの返信が届いた時点で予約が確定します |
| 言葉 | 公式サイトに英語・中国語の見学案内のページがあります。英語での案内の有無は公表されていません |
| 注意 | 旅行会社からの申し込みは受け付けていません。飲食物の持ち込みはできず、レストランはありません。ペットは入れません |
車で行く場合は注意が必要です。駐車場は3台分で、予約が必要です。蔵のまわりには車を停める場所がなく、駐車場を予約していない車での来場は断られます。試飲をする人は運転しないでください。
見学の予約は来場見学のご案内のページから申し込めます。蔵の営業日は、公式サイトの会社情報のページに年間の休業日カレンダーがあります。2026年は、日曜・祝日と土曜の多くが休業日です。8月13日・14日のように平日の休業日もあり、営業する土曜・日曜もあります。
行き方
住所:〒845-0003 佐賀県小城市小城町岩蔵1520
- 電車:JR唐津線(Karatsu Line)で佐賀(Saga)駅から小城(Ogi)駅まで約15〜20分です。小城駅からは車で約8分(3.6キロメートル)です
- 車:小城スマートICから約5分です
所要時間は目安です(2026年9月30日確認)。列車の時刻はJR九州でご確認ください。往路と復路の最終便まで確かめておくと安心です。
営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。
天山酒造のお酒の買い方
天山酒造の日本酒は、銘柄によって買える場所が違います。
- 七田は、蔵が認めた特約店だけで扱う銘柄です
- 岩の蔵は、九州の中だけで流通する銘柄です
- 天山は、蔵の取扱店の一覧に載っている店でも扱っています
蔵には直販ストアがあります。蔵の営業時間は9:00〜16:00で、12:00〜13:00は昼休みです。休業日は上の年間カレンダーのとおりです。12月は見学を受け付けていませんが、直販ストアでの買い物はできます(2026年9月30日確認)。
蔵の公式オンラインストアもあります。配送先などの条件は、ストアの案内でご確認ください。
取扱店
蔵は取扱店の一覧を公式サイトで公開しています。一覧には全国200を超える店が、扱う銘柄(天山・七田・岩の蔵)とあわせて載っています。旅の途中で寄りやすい店を選びました(2026年9月30日確認)。
| 地域 | 店名 | 所在地 | 扱う銘柄 |
|---|---|---|---|
| 小城市 | 池田商店 | 佐賀県小城市小城町502-1 Google マップで開く | 天山・岩の蔵・七田 |
| 佐賀市 | 佐賀玉屋 | 佐賀県佐賀市中の小路2-5 Google マップで開く | 天山・岩の蔵・七田 |
| 博多駅 | 住吉酒販 博多駅店 | 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多デイトス1階 Google マップで開く | 天山・岩の蔵・七田 |
| 福岡・天神 | 岩田屋本店 和洋酒売り場 | 福岡県福岡市中央区天神2-5-35 Google マップで開く | 天山・七田・岩の蔵 |
| 東京駅 | リカーズ ハセガワ 北口店 | 東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街 Google マップで開く | 七田 |
| 日本橋 | 日本橋高島屋 | 東京都中央区日本橋2-4-1 Google マップで開く | 七田 |
| 新宿 | 伊勢丹 新宿店 | 東京都新宿区新宿3-14-1 地下1階 Google マップで開く | 七田 |
| 大阪 | 折口酒店 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東2-10-14 Google マップで開く | 天山・七田 |
| 京都駅 | ジェイアール京都伊勢丹 | 京都府京都市下京区烏丸通塩小路下る東塩小路町 | 天山・七田 |
ほかの店は一覧でご確認ください。一覧には各店の電話番号も載っています。
買うときの注意
- 取扱いの有無と在庫は店によって違います。限定品や季節の商品は入荷しないこともあるため、訪ねる前に店へご確認ください。
- 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント
酒蔵情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 天山酒造株式会社(Tenzan Sake Brewery Co., Ltd.) |
| 創業 | 1875年(明治8年) |
| 代表者 | 代表取締役 七田謙介(6代目蔵元) |
| 所在地 | 〒845-0003 佐賀県小城市小城町岩蔵1520 Google マップで開く |
| 電話 | 0952-73-3141(受付 9:00〜12:00、13:00〜15:00。見学の予約は電話では受け付けていません) |
| 代表銘柄 | 七田(Shichida)/天山(Tenzan)/岩の蔵(Iwanokura) |
| 仕込み水 | 天山の伏流水 |
| 公式サイト | https://tenzan.co.jp/ |
| 蔵見学 | 可(平日・要予約・無料。試飲は有料。製造の現場は見学できません。12月は不可) |
| 直販ストア | あり(蔵の営業時間 9:00〜16:00、12:00〜13:00は昼休み)・公式オンラインストア |
| 英語対応 | 英語の見学案内ページあり。英語での案内の有無は公表されていません |