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七田 — 蛍の川のほとりに建つ小城の酒蔵

  • Sake JP 編集部
小城市の天山酒造の蔵。畑の向こうに、瓦屋根と白壁の長い2階建ての蔵が並び、背後に山並みが続く
小城市の天山酒造の蔵と、背後に続く山並みです。Pekachu / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

こんな人におすすめ

  • 佐賀や福岡に泊まり、平日に予約して酒蔵を訪ねたい人(見学は無料・要予約。試飲は有料です)
  • 明治から昭和に建てられ、いまも使われている酒蔵の建物を見てみたい人
  • 米と米麹と水だけでつくる日本酒を、食事と合わせて飲んでみたい人
  • 5月下旬から6月上旬に佐賀を旅し、夜に蛍を見たい人

天山酒造について

天山酒造(Tenzan Sake Brewery)は、佐賀県小城市(Ogi)にある酒蔵です。代表銘柄は、蔵の名前と同じ「天山(Tenzan)」と、2001年に始めた「七田(Shichida)」です。九州の中だけで流通する「岩の蔵(Iwanokura)」という銘柄もあります。

七田(しちだ)は、この蔵を営む一族の名字です。1861年に七田家が水車を使った製粉・製麺業をこの場所で始め、1875年に七田利三・ツキ夫妻が近くの酒蔵を買い取って日本酒づくりを始めました。2025年に、日本酒づくりを始めてから150年を迎えています。

蔵見学は、予約をすれば平日にできます。ただし、日本酒をつくっている製造の現場には案内されません(2026年9月30日確認)。

天山の水と、佐賀の米

天山(Mt. Tenzan)は、佐賀県の中央部にある山です。蔵の前を流れる祇園川(Gion River)は、天山とそのまわりの山々の水を集める川です。仕込み水には、天山の中腹から湧く伏流水を使っています。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含み、鉄分を含まない、中程度の硬さの水です。

祇園川は、ゲンジボタルの見られる川として知られています。例年5月下旬から6月上旬の夜に蛍が飛び、天山酒造の近くも観賞できる場所のひとつです。

原料の米は、約8割が佐賀県産です。中心は酒米(日本酒づくりに向く米)の「山田錦(Yamada Nishiki)」と「さがの華(Saga no Hana)」です。蔵は2005年に佐賀県の農家と「天山酒米栽培研究会」をつくり、山田錦を契約して育ててもらっています。研究会では年に数回の勉強会を開いています。

蔵の建物のうち「明治蔵」「大正蔵」「昭和蔵」と、精米の動力に使った鉄製の水車とその水路は、国の登録有形文化財です。明治蔵・大正蔵と水車・水路は、2003年に登録されました。水車は、祇園川から引いた水で回し、精米機を動かしていたものです。

七田という日本酒

「七田」は、6代目の蔵元である七田謙介さんが2001年に立ち上げた銘柄です。蔵が認めた特約店(蔵と直接取引している酒販店)だけで扱う銘柄です。七田の日本酒は、どれも米と米麹と水だけでつくる純米酒です。七田の名前の焼酎もあります。

七田の造りの基本は、搾ったあとに水を加えず、活性炭による濾過もしないことです。そのうえで火入れ(加熱による殺菌)を1回して、低い温度で瓶に詰めたまま貯蔵しています。火入れをしない「無濾過生」の商品など、造りの違う商品もあります。

2つの商品を挙げます。

  • 七田 純米 — 米と米麹と水だけでつくる「純米酒(junmai-shu)」です。原料米は山田錦とレイホウで、七田の標準の商品です。冷やしても、温めても飲めます
  • 七田 純米吟醸 江里山 棚田米 — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削って低温でゆっくり発酵させた「純米吟醸(junmai ginjo)」です。蔵の地元、江里山(Eriyama)の棚田のさらに奥で育てた山田錦だけを使っています

原料や造りは商品ごとに違うため、種類はラベルの表示でご確認ください。

蔵では1995年から、季節ごとに働きに来る職人ではなく、社員が日本酒をつくる形へ少しずつ移ってきました。いまの杜氏(toji、日本酒づくりの責任者)は後藤潤さんです。後藤さんは、蔵のサイトに次の言葉を寄せています(天山酒造 公式サイト「酒造りの環境」より)。

もろみも一本一本個性があり、造る人においても同じです。自分自身も含め個性を生かす酒造りを続けていきます。

もろみ(moromi)は、タンクの中で発酵している日本酒のもとです。

酒蔵の案内

天山酒造は、予約制の蔵見学を受け付けています(2026年9月30日確認)。見学できるのは、改修して来場者に開いている蔵の一部です。製造の現場には案内されません。流れは、説明、見学、試飲、直販ストア(蔵の売店)の順で、あわせて約40分です。

蔵見学(2026年9月30日確認)
開催日 月曜〜金曜(蔵の営業日のみ)。12月は見学を受け付けていません
時間帯 午前 9:30〜11:30/午後 14:00〜16:00
所要時間 約40分(試飲を含む)
料金 見学は無料。試飲は有料(料金は公表されていません)
人数 1〜20名。貸し切りではなく、ほかのグループと一緒に見学します。案内の担当者がつかず、自由に見学する場合もあります
予約 公式サイトの予約フォームから。見学日の1か月前の同じ日から受け付け、見学日の1週間前までに申し込みます。電話では予約できません。蔵からの返信が届いた時点で予約が確定します
言葉 公式サイトに英語・中国語の見学案内のページがあります。英語での案内の有無は公表されていません
注意 旅行会社からの申し込みは受け付けていません。飲食物の持ち込みはできず、レストランはありません。ペットは入れません

車で行く場合は注意が必要です。駐車場は3台分で、予約が必要です。蔵のまわりには車を停める場所がなく、駐車場を予約していない車での来場は断られます。試飲をする人は運転しないでください。

見学の予約は来場見学のご案内のページから申し込めます。蔵の営業日は、公式サイトの会社情報のページに年間の休業日カレンダーがあります。2026年は、日曜・祝日と土曜の多くが休業日です。8月13日・14日のように平日の休業日もあり、営業する土曜・日曜もあります。

行き方

住所:〒845-0003 佐賀県小城市小城町岩蔵1520

  • 電車:JR唐津線(Karatsu Line)で佐賀(Saga)駅から小城(Ogi)駅まで約15〜20分です。小城駅からは車で約8分(3.6キロメートル)です
  • 車:小城スマートICから約5分です

所要時間は目安です(2026年9月30日確認)。列車の時刻はJR九州でご確認ください。往路と復路の最終便まで確かめておくと安心です。

営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。

天山酒造のお酒の買い方

天山酒造の日本酒は、銘柄によって買える場所が違います。

  • 七田は、蔵が認めた特約店だけで扱う銘柄です
  • 岩の蔵は、九州の中だけで流通する銘柄です
  • 天山は、蔵の取扱店の一覧に載っている店でも扱っています

蔵には直販ストアがあります。蔵の営業時間は9:00〜16:00で、12:00〜13:00は昼休みです。休業日は上の年間カレンダーのとおりです。12月は見学を受け付けていませんが、直販ストアでの買い物はできます(2026年9月30日確認)。

蔵の公式オンラインストアもあります。配送先などの条件は、ストアの案内でご確認ください。

取扱店

蔵は取扱店の一覧を公式サイトで公開しています。一覧には全国200を超える店が、扱う銘柄(天山・七田・岩の蔵)とあわせて載っています。旅の途中で寄りやすい店を選びました(2026年9月30日確認)。

地域 店名 所在地 扱う銘柄
小城市 池田商店 佐賀県小城市小城町502-1 Google マップで開く 天山・岩の蔵・七田
佐賀市 佐賀玉屋 佐賀県佐賀市中の小路2-5 Google マップで開く 天山・岩の蔵・七田
博多駅 住吉酒販 博多駅店 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多デイトス1階 Google マップで開く 天山・岩の蔵・七田
福岡・天神 岩田屋本店 和洋酒売り場 福岡県福岡市中央区天神2-5-35 Google マップで開く 天山・七田・岩の蔵
東京駅 リカーズ ハセガワ 北口店 東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街 Google マップで開く 七田
日本橋 日本橋高島屋 東京都中央区日本橋2-4-1 Google マップで開く 七田
新宿 伊勢丹 新宿店 東京都新宿区新宿3-14-1 地下1階 Google マップで開く 七田
大阪 折口酒店 大阪府大阪市浪速区恵美須東2-10-14 Google マップで開く 天山・七田
京都駅 ジェイアール京都伊勢丹 京都府京都市下京区烏丸通塩小路下る東塩小路町 天山・七田

ほかの店は一覧でご確認ください。一覧には各店の電話番号も載っています。

買うときの注意

  • 取扱いの有無と在庫は店によって違います。限定品や季節の商品は入荷しないこともあるため、訪ねる前に店へご確認ください。
  • 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント

酒蔵情報

項目 内容
社名 天山酒造株式会社(Tenzan Sake Brewery Co., Ltd.)
創業 1875年(明治8年)
代表者 代表取締役 七田謙介(6代目蔵元)
所在地 〒845-0003 佐賀県小城市小城町岩蔵1520 Google マップで開く
電話 0952-73-3141(受付 9:00〜12:00、13:00〜15:00。見学の予約は電話では受け付けていません)
代表銘柄 七田(Shichida)/天山(Tenzan)/岩の蔵(Iwanokura)
仕込み水 天山の伏流水
公式サイト https://tenzan.co.jp/
蔵見学 可(平日・要予約・無料。試飲は有料。製造の現場は見学できません。12月は不可)
直販ストア あり(蔵の営業時間 9:00〜16:00、12:00〜13:00は昼休み)・公式オンラインストア
英語対応 英語の見学案内ページあり。英語での案内の有無は公表されていません