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蓬莱 — 白壁土蔵の町・飛騨古川で、予約して蔵の中を歩く

  • Sake JP 編集部
飛騨古川の壱之町に建つ渡辺酒造店の主屋。黒っぽい木の格子が続く2階建ての町家で、軒下に小さな屋根をかけた大きな杉玉が下がる
飛騨古川の壱之町にある渡辺酒造店の主屋です。軒下に杉玉が下がっています。Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

こんな人におすすめ

  • 高山(Takayama)まで来たついでに、もう一つ古い町並みを歩いてみたい人
  • 平日に、日本酒をつくる建物の中を見てみたい人(見学は有料の予約制です)
  • 飛騨の米でつくった日本酒を、蔵の直売店で試飲してから選びたい人
  • 4月の古川祭に合わせて飛騨を旅する人

渡辺酒造店について

渡辺酒造店(Watanabe Shuzoten)は、岐阜県飛騨市(Hida)の古川町(Furukawa)にある酒蔵です。銘柄は「蓬莱(Hourai)」です。日本酒づくりを始めたのは1870年です。

蔵見学ができます。平日だけの有料の見学で、予約が必要です(2026年9月30日確認。条件は「酒蔵の案内」をご覧ください)。

蔵の直売店は、見学に参加しなくても利用できます。蔵の建物は国の登録有形文化財(歴史的な建物として国に登録されたもの)です。

蓬莱は、令和7酒造年度全国新酒鑑評会(酒類総合研究所・日本酒造組合中央会)で入賞しています(2026年5月20日発表)。

北アルプスに囲まれた盆地の町

飛騨市古川町は岐阜県の北の端にあり、標高3,000メートルを越える北アルプス(Northern Alps)の山々に囲まれた古川盆地の町です。この町は「飛騨古川(Hida-Furukawa)」とも呼ばれます。

蔵のある通りには、格子の窓を持つ古い商家が並びます。町を流れる瀬戸川(Setogawa)沿いには、白い壁と黒い腰壁の土蔵が続きます。瀬戸川では、4月から11月まで色とりどりの鯉が泳いでいます。11月下旬から4月上旬までは、鯉は冬を越すために別の池へ移されます。

毎年4月19日と20日には、気多若宮神社の祭り「古川祭」が開かれます。祭りの山車(屋台)の曳行と、19日の夜に大太鼓を乗せた櫓が町を練り歩く「起し太鼓」は、国の重要無形民俗文化財で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

生糸の商人が始めた日本酒

渡邉家は、1732年にこの土地で「荒城屋」という屋号で商いを始めました。のちに生糸をつくって京都へ売るようになります。

日本酒づくりを始めたのは5代目の久右衛門です。生糸の商いで京都へ行ったときに飲んだ日本酒の味が忘れられず、1870年に古川で酒蔵を構えました。銘柄の「蓬莱」は、宴の席で謡われた謡曲「鶴亀」の一節から選んだ名前です。蓬莱は、仙人が住むとされる、不老長寿の理想郷の名前です。

蔵の正面には、杉の葉を丸く束ねた杉玉(sugidama)が、小さな屋根の下に下がっています。杉玉は酒蔵の看板で、渡辺酒造店では毎年11月1日(休日なら翌日)、その年の新しい日本酒を初めて搾る日に新しいものへ取り換えます。杉玉にかけた屋根は1904年の古川町の大火で母屋とともに焼け、92年後の1996年に復元されました。

現在は9代目の渡邉久憲さんが蔵を継ぎ、杜氏(toji、日本酒づくりの責任者)の北場広治さんとともに日本酒をつくっています。蔵は、古い木の道具を使い、手で感じる香りや手触りを大切にしていると掲げています。

飛騨の米でつくる蓬莱

渡辺酒造店が原料米としていちばん多く使っているのは、岐阜県産の酒米(sake rice、日本酒づくりに向く米)「飛騨ほまれ(Hida Homare)」です。ほかに兵庫県産・岡山県産の山田錦(Yamada Nishiki)、岡山県産の雄町(Omachi)、北海道産の吟風も使っています。

飛騨ほまれでつくる定番の商品を2つ挙げます。

  • 蓬莱 純米酒 奥伝寒造り — 米と米麹と水だけでつくる「純米酒(junmai-shu)」です。飛騨ほまれを使い、軽くなめらかな飲み口を目指しています。温めて燗にしても飲めます
  • 蓬莱 純米吟醸 家伝手造り — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削って低温でゆっくり発酵させた「純米吟醸(junmai ginjo)」です。蔵と契約して栽培した飛騨ほまれを使い、少量ずつ仕込んでいます

蓬莱には、このほかにも多くの商品があります。原料や精米歩合は商品ごとに違うため、種類はラベルの表示でご確認ください。

酒蔵の案内

蔵見学

渡辺酒造店は、予約制の蔵見学を行っています(2026年9月30日確認)。見学は2025年5月7日に再開しました。

見学は平日だけで、有料です。所要時間は約1時間で、予約が必要です。曜日・時間・料金・予約の期限は、蔵の日本語の案内と英語の案内で異なります。予約の前に、蔵の見学ページで条件を確かめてください。

  • 日本語で予約する場合:蔵見学のページ。電話 0120-359-352(平日 8:30〜17:30)、メール event@sake-hourai.co.jp
  • 英語で問い合わせる場合:蔵の英語ページ。メール global@sake-hourai.co.jp。案内の言語は公表されていないため、予約するときに言語も確かめてください

蔵の作業の状況によって、見学の内容やルートが変わることがあります。キャンセルや遅刻をするときは、必ず電話で知らせるよう蔵は求めています。試飲をする人は車を運転できません。酒蔵の中では飲食と喫煙ができません。アクセサリーや携帯電話を落とさないよう注意を求めています。

直売店

直売店は、国の登録有形文化財の白壁土蔵の建物の中にあります。営業時間は9:00〜16:00で、休みは不定期です(2026年9月30日確認)。一部の日本酒とアルコールの入っていない甘酒(amazake、米からつくる甘い飲み物)を無料で試飲できます。高価な日本酒を1杯100円で試せる機械もあります。仕込みに使っている水も、店内で自由に飲めます。直売店でだけ売る日本酒もあります。

見学のあとに買った日本酒は、町を歩くあいだ無料で預かってもらえます。日本国内への発送もできます。

蔵まつり

蔵は春に「蔵まつり」を開くことがあります。直近の開催は2026年3月20日・21日でした。次の日程は蔵の公式サイトの告知でご確認ください。

行き方

住所:〒509-4234 岐阜県飛騨市古川町壱之町7-7

  • 電車:最寄り駅はJRの飛騨古川(Hida-Furukawa)駅で、蔵までは歩いて行けます。駅には、名古屋・大阪方面と富山方面を結ぶ特急「ひだ(Hida)」が停まります。高山駅からも同じ路線でつながっています
  • 車:蔵に駐車場はありません。飛騨市役所の無料駐車場(岐阜県飛騨市古川町本町2-22)から歩いて約5分です

列車の時刻はJR東海の時刻表でご確認ください。本数の少ない区間があるため、往路と復路の最終便まで確かめておくと安心です。

営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。

渡辺酒造店のお酒の買い方

いちばん確実なのは、飛騨古川の直売店です。直売店でだけ売る日本酒もあります。

蔵には公式オンラインショップ「渡辺酒造店 公式通販」もあります。購入には会員登録が必要です。送料は日本国内の都道府県ごとに案内されていて、海外への発送については書かれていません(2026年9月30日確認)。

蔵は取扱店の一覧を公開していません(2026年9月30日確認)。岐阜県外の店で探す場合は、蔵に問い合わせてください。

買うときの注意

  • 取扱いの有無と在庫は店によって違います。限定品や季節の商品は入荷しないこともあります。
  • 蓬莱には多くの商品があり、原料や造りは商品ごとに違います。種類はラベルの表示でご確認ください。
  • 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント

酒蔵情報

項目 内容
蔵名 有限会社渡辺酒造店(Watanabe Shuzoten)
創業 1870年(明治3年)
代表者 渡邉久憲
所在地 〒509-4234 岐阜県飛騨市古川町壱之町7-7 Google マップで開く
電話 0577-73-2347(FAX 0577-57-7334)
代表銘柄 蓬莱(Hourai)
公式サイト https://www.sake-hourai.co.jp/
蔵見学 可(平日のみ・有料・予約制。曜日・料金・予約の期限は蔵の見学ページで確認)
直売所 あり(9:00〜16:00・不定休。試飲あり)
取扱店の一覧 公開されていません(2026年9月30日確認)
英語対応 公式サイトに英語ページあり。見学の案内言語は公表されていません