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七賢 — 甲州街道の宿場町・台ヶ原で、甲斐駒ヶ岳の水を仕込む蔵

  • Sake JP 編集部
北杜市白州町の旧甲州街道・台ヶ原宿の通り。右手に杉玉を下げた山梨銘醸(七賢)の木造の建物が並び、奥に山並みが見える
北杜市白州町の台ヶ原宿の通りです。右手の杉玉を下げた建物が山梨銘醸(七賢)です。小石川人晃 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

こんな人におすすめ

  • 東京から山梨・長野方面へ向かう旅の途中で、古い宿場町の酒蔵に立ち寄りたい人
  • 蔵の売店のカウンターで試飲してから、日本酒を選びたい人
  • 明治天皇が泊まった座敷など、蔵に残る歴史のある建物を案内付きで見てみたい人(予約制です)
  • 瓶の中で発酵させてつくる、泡のある日本酒に興味がある人

日本酒をつくる工場を見学する一般向けの受け入れは、公表されていません(2026年9月30日確認)。

山梨銘醸について

山梨銘醸(Yamanashi Meijo)は、山梨県北杜市(Hokuto)の白州町台ヶ原(Hakushu, Daigahara)にある酒蔵です。銘柄は「七賢(Shichiken)」です。創業は1750年で、1925年に株式会社になりました。

蔵には売店「酒処 大中屋(Onakaya)」があり、日本酒を買うことも、カウンターで試飲することもできます。明治天皇が泊まった座敷「行在所(Anzaisho)」と、北原家に伝わる美術品や資料を展示する「伝奏蔵(Denso-gura)」は、予約制で案内付きの見学ができます。日本酒をつくる工場を見学する一般向けの受け入れは、公表されていません(2026年9月30日確認)。

令和7酒造年度全国新酒鑑評会(酒類総合研究所・日本酒造組合中央会)では、山梨銘醸の「七賢」が入賞酒に選ばれています。

甲州街道の宿場町、台ヶ原

台ヶ原宿(Daigahara-juku)は、江戸時代に甲州街道(Koshu Kaido)の宿場町として栄えた町です。いまの台ヶ原宿にも古い民家や蔵が点在し、酒蔵や和菓子屋が並んでいます。台ヶ原の旧甲州街道は、1986年に「日本の道百選」に選ばれています。

山梨銘醸の始まりは1750年です。信州高遠(Takato)で代々酒造業を営んでいた北原家から分家した北原伊兵衛(Ihee Kitahara)が、白州(Hakushu)の水にほれこみ、この台ヶ原で日本酒づくりを始めました。

「七賢」という銘柄の名前は、1835年に母屋が完成したとき、高遠城主の内藤駿河守から祝いとして贈られた欄間(部屋の境の上にはめる彫刻の板)に由来します。欄間の題材は「竹林の七賢人(Seven Sages of the Bamboo Grove)」です。この欄間は、いまも母屋に残っています。

1880年、明治天皇が山梨県などを巡ったとき、この母屋の奥座敷が宿泊所「行在所」になりました。行在所は山梨県指定有形文化財(建造物)です。

甲斐駒ヶ岳の伏流水と、北杜の米

蔵からは、南アルプスの甲斐駒ヶ岳(Mt. Kaikoma)を見上げることができます。山梨銘醸は、甲斐駒ヶ岳の伏流水(地下を流れる水)を仕込み水にしています。仕込み水は、醸造蔵の中で湧く水をそのまま使います。

蔵が掲げている考え方は、次の言葉です。

「地元白州の水を体現できる酒」 ——山梨銘醸 公式サイト「水について」より

米は、水源を同じくする北杜市産の米を中心に使っています。1999年には農業法人「大中屋」をつくり、地元の農家と一緒に酒米(sake rice、日本酒づくりに向く米)を育てています。地元の農家と育てている酒米には、「夢山水(Yumesansui)」や「ひとごこち(Hitogokochi)」があります。

七賢の日本酒

山梨銘醸は1982年に、特定名称の条件にあてはまらない「普通酒(futsu-shu)」をやめ、すべての商品を特定名称酒(原料と、米の外側をどこまで削るかの条件を満たした日本酒)に切り替えました。

定番の商品から、種類の違う3つを挙げます(2026年9月30日確認)。

  • 天鵞絨の味(Birodonoaji) — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を4割以上削って低温でゆっくり発酵させた「純米吟醸(junmai ginjo)」です。酒米は夢山水です。
  • 絹の味(Kinunoaji) — 米と米麹と水だけでつくり、米の外側を半分以上削った「純米大吟醸(junmai daiginjo)」です。酒米は夢山水です。
  • 風凛美山(Furinbizan) — 米と米麹と水だけでつくる「純米酒(junmai-shu)」です。酒米はひとごこちとあさひの夢です。

山梨銘醸は、泡のある日本酒もつくっています。瓶に詰めたあと、瓶の中でもう一度発酵させて泡を生む「瓶内二次発酵」という方法です。2015年に「山ノ霞(Yama no Kasumi)」を出し、2016年に「星ノ輝(Hoshi no Kagayaki)」、2017年に「杜ノ奏(Mori no Kanade)」を加えました。山ノ霞は、うっすらと濁った「うすにごり」のスパークリング日本酒です。

酒蔵の案内

受け付けているのは、売店での試飲と購入、歴史のある建物の見学、有料のツアーです。日本酒をつくる工場を見学する一般向けの受け入れは、公表されていません(2026年9月30日確認)。

酒処 大中屋(売店と試飲)

蔵の売店です。カウンターで試飲をしてから日本酒を選べます。加熱処理(火入れ)をしていない生酒(namazake)の「七賢人シリーズ」など、蔵元限定の商品も扱っています。

酒処 大中屋(2026年9月30日確認)
営業時間 9:00〜17:00(試飲は16:30まで)
休業日 12月31日〜1月3日

行在所・伝奏蔵の見学

案内スタッフが付いて、明治天皇が泊まった行在所と、北原家に伝わる美術品や資料を展示する伝奏蔵を回ります。伝奏蔵の展示は3か月ごとに替わります。

行在所・伝奏蔵(2026年9月30日確認)
開始時刻 行在所 10:30/13:30/14:30、伝奏蔵 10:00/11:00/14:00/15:00
料金 1施設300円(中学生以上)。小学生以下は無料
予約 必要。前日16:00までに予約してください
休業日 12月31日〜1月3日

七賢物語ツアー

日本酒のテイスティングに加えて、酒蔵・行在所・焼酎の貯蔵庫などを巡る有料のツアーです。毎月第2・第4水曜日の予定で、13:30から約2時間です。料金は1人7,000円(税込)で、前の月の15日までに予約が必要です。内容は時期によって変わることがあります。英語での案内は公表されていません(2026年9月30日確認)。

食事と宿

  • レストラン臺眠(Daimin):蔵が営むレストランで、日本酒づくりの発酵の技を生かした料理を出します。昼は平日11:30〜14:30、土日祝11:30〜15:00です。予約できるのは11:30の回だけです。休みは火曜日(祝日の場合は翌日)と12月28日〜1月3日です。夜の営業は休止しています(2026年9月30日確認)。電話は0551-35-5111です
  • 宿場 esoto:蔵が2026年6月に開いた、1日1組・最大4名の一棟貸しの宿です。宿泊客向けの体験(別の申し込み)として、醸造の現場の見学があります。予約は宿の公式サイトからです

行き方

住所:〒408-0312 山梨県北杜市白州町台ヶ原2283

  • 車:中央自動車道の小淵沢(Kobuchizawa)ICから約20分です(2026年9月30日確認の目安)。駐車場があります。運転する人は試飲をしないでください

営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。

山梨銘醸のお酒の買い方

蔵で買うなら、売店「酒処 大中屋」です。営業時間は「酒蔵の案内」をご覧ください。

公式オンラインショップでは、蔵の売店で受け取る方法を選べます。注文日の2営業日後から受け取れ、支払いは売店で現金かクレジットカードです。取り置きは原則1か月です。配送はゆうパックで、送料の表には日本国内の地域だけが載っています(2026年9月30日確認)。

蔵は、国内の取扱店の一覧を公式サイトで公開していません(2026年9月30日確認)。

海外では、蔵が公式サイトで輸入元を公開しています。アメリカ・カナダ、ドイツ・フランス・イギリス・イタリアなどヨーロッパの12か国、韓国・香港・マカオ・台湾・タイ・ベトナム・シンガポールなどアジアの国と地域、オーストラリアの輸入元が載っています。

買うときの注意

  • 七賢には多くの商品があり、原料や造りは商品ごとに違います。種類はラベルの表示でご確認ください。
  • 「要冷蔵」と表示された生酒は、冷やして持ち運んでください。
  • 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント

酒蔵情報

項目 内容
蔵名 山梨銘醸株式会社(Yamanashi Meijo Co., Ltd.)
創業 1750年(寛延3年)。1925年11月26日設立
代表者 代表取締役会長 北原兵庫/代表取締役社長 北原対馬
所在地 〒408-0312 山梨県北杜市白州町台ヶ原2283 Google マップで開く
電話 0551-35-2236(代表)(FAX 0551-35-2282)
代表銘柄 七賢(Shichiken)
仕込み水 甲斐駒ヶ岳の伏流水(醸造蔵内で湧く水)
公式サイト https://www.sake-shichiken.co.jp/ (英語版 https://sake-shichiken.com/ )
蔵見学 工場見学の一般向け受け入れは公表されていない。行在所・伝奏蔵の見学(予約制・有料)と、有料の「七賢物語ツアー」あり
直売 酒処 大中屋(試飲あり)
取扱店の一覧 国内は公開されていません。海外の輸入元は公式サイトに掲載(2026年9月30日確認)
英語対応 公式サイトに英語版あり。見学・ツアーの英語対応は公表されていません