ひとごこち(Hitogokochi)は、日本酒づくりに向く米「酒米(sakamai)」の品種のひとつです。主な産地は長野県と山梨県です。酒米の全体は酒米の種類で説明しています。
生まれた経緯
ひとごこちは1987年に長野県の農事試験場で「信交酒437号(白妙錦)」と「信交444号」を掛け合わせて育てられた品種です。長野県は、それまでの「白妙錦」と、美山錦の一部に替えて、奨励品種に採用しました。
ひとごこちの特徴
長野県で美山錦と比べた試験では、次のような結果が出ています。
- 粒が美山錦より大きく、粒がそろっていて、心白(shinpaku)がよく出ます
- 稲の背が美山錦より低く、倒れにくくなっています
- 収穫量は美山錦より多くなっています
- 米の外側を41%削った米(精米歩合59%)で日本酒をつくった評価は、美山錦より優れていました
ただし、日本酒の味は米だけで決まるわけではありません。麹、酵母、発酵、搾り、加熱、貯蔵のそれぞれが味に関わります。
主な産地
2024年産の生産量が多いのは、長野県、山梨県、栃木県です。
ひとごこちを原料に定めた地理的表示「信濃大町」
日本酒の地理的表示(GI)「信濃大町(Shinano Omachi)」(長野県)は、原料の米と米麹に「美山錦」「ひとごこち」「金紋錦」「山恵錦」だけを使うことが条件です。米は、長野県大町市と北安曇郡松川村の、定められた田んぼで収穫したものに限られます。