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純米酒——米と米麹と水だけでつくる日本酒

  • Sake JP 編集部

日本酒のラベルにある「純米(junmai)」の2文字は、醸造アルコール(jozo alcohol)を加えていないことを示します。原料は米と米麹(kome koji)と水だけです。米麹は、蒸した米に麹菌(koji mold)を繁殖させたもので、米のでんぷんを糖に変える働きがあります。

「純米」は、国の基準で定められた特定名称(tokutei meisho)の一部です。条件を満たした日本酒だけが名乗れます。特定名称の全体は日本酒の種類のページで説明しています。

「純米」が付く4つの名前

特定名称は8種類あり、そのうち4種類に「純米」が付きます。4種類の違いは、米の外側をどれだけ削ったかと、つくり方です。

名前 米の削り方とつくり方
純米酒(junmai-shu) 決まりはありません
特別純米酒(tokubetsu junmai-shu) 米の外側を4割以上削る、または特別な製造方法でつくる
純米吟醸酒(junmai ginjo-shu) 米の外側を4割以上削り、低温でゆっくり発酵させる吟醸造りでつくる
純米大吟醸酒(junmai daiginjo-shu) 米の外側を半分以上削り、吟醸造りでつくる

米をどれだけ削ったかは「精米歩合(seimai buai)」で示します。精米歩合は、削ったあとに残った米の重さが元の玄米の何割かを表す数字で、60%なら外側を4割削ったという意味です。

純米酒には、米の削り方の決まりがありません

2003年までは、純米酒にも「精米歩合70%以下」という条件がありました。その後の設備と技術の進歩で、この条件に当てはまらない米を使っても、純米酒に匹敵する日本酒がつくれるようになりました。米と米麹と水だけでつくる日本酒が、「純米酒」と、純米酒を名乗れないものとに分かれて並ぶことになり、違いが分かりにくくなっていました。

そこで2004年1月に基準が改正され、純米酒の精米歩合の条件はなくなりました。代わりに、特定名称を名乗る日本酒には、ラベルの原材料名のすぐ近くに精米歩合を書くことが義務になりました。純米酒がどこまで米を削ったのかは、瓶を見れば分かります。

福岡県の白糸酒造(Shiraito Shuzo)の「田中六五(Tanaka Rokujugo)」は、精米歩合65%で仕込んだ純米酒です。→ 田中六五の記事

原料が米と米麹だけでも、純米酒とは限りません

純米酒を名乗るには、原料のほかにも条件があります。これは8種類の特定名称すべてに共通する条件です。

  • 米麹に使う米が、原料の米の重さの15%以上であること
  • 農産物検査で3等以上に格付けされた玄米か、それに相当する玄米を使うこと

このほか、香りと味、色つやが良好であることも条件になっています。

条件を満たさない日本酒は、特定名称を名乗れません。特定名称のない日本酒は「普通酒(futsu-shu)」と呼ばれます。普通酒のラベルに特定名称に似た言葉を書く場合は、特定名称の日本酒ではないことを、すぐ近くに分かるように書くことになっています。

純米かどうかの違いは、醸造アルコールだけです

「純米」が付かない4種類(本醸造酒、特別本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒)は、醸造アルコールを少量加えています。醸造アルコールは、でんぷんや糖を含む原料からつくったアルコールです。加えられる量は、原料の白米の重さの10%までと決まっています。

発酵中の日本酒(もろみ、moromi)に醸造アルコールを適量加えると、香りが高くなり、すっきりした味になります。日本酒の香りと味を損なう乳酸菌が増えるのを防ぐ効果もあります。

純米かどうかは原料の区分であり、品質の順位ではありません。日本酒の味は、原料米、麹、酵母、発酵、搾り、加熱、貯蔵の積み重ねで決まります。

ラベルで見分ける

瓶の裏側のラベルにある「原材料名」の欄を見ます。

原材料名の書き方 意味
米、米こうじ 醸造アルコールを加えていません
米、米こうじ、醸造アルコール 醸造アルコールを加えています

日本語が読めなくても、酒屋や飲食店で指さすときは「純米」の2文字が目印になります。

山口県の獺祭(Dassai)の蔵は、純米大吟醸だけを造っています。→ 獺祭の記事

同じ蔵、同じ銘柄の名前でも、商品ごとに特定名称は違います。買うときは1本ずつラベルで確かめてください。