山田錦(Yamada Nishiki)は、日本酒づくりに向く米「酒米(sakamai)」の品種のひとつです。酒米の中で生産量がもっとも多く、2025年産の推計で酒米全体の約37%を占めています。酒米の全体は酒米の種類で説明しています。
生まれた経緯
山田錦は、1923年に兵庫県立農事試験場で「山田穂(Yamadaho)」と「短稈渡船(Tankan Wataribune)」を交配して生まれ、1936年に「山田錦」と名付けられて、兵庫県の奨励品種になりました。
山田錦の特徴
山田錦には、次のような特徴があります。
- 粒が大きく、1,000粒の重さは約27グラムで、コシヒカリの約1.3倍です
- 米粒の中心に「心白(shinpaku)」が出る割合は約70%です。心白は、断面が線のように薄い形のものが多くあります
- 玄米のたんぱく質は約6%と少なめです
- 精米しても砕けにくく、米の外側を半分以上削る大吟醸酒の精米にも使えます
- 稲の背が高く、穂の長さを合わせると約130センチに達します。穂が出るのが遅い品種で、収穫は10月の上旬から中旬です
主な産地
2024年産の生産量が多いのは、兵庫県、岡山県、山口県、栃木県、福岡県です。2025年産の推計では、山田錦の半分以上が兵庫県でつくられています。
「特A地区」
山田錦の産地では、「特A地区」という言葉が使われます。兵庫県内の山田錦の産地は「特A-a」「特A-b」「特A-c」の3つに分けられています。特A-aは三木市の吉川町・口吉川町、加東市の旧東条町などで、特A-bは神戸市北区の大沢町・淡河町、三木市細川町などです。この区分は、1938年度の「村米格付表」がもとになっています。
「特A地区」は産地の区分で、農産物検査の等級(特上・特等・1等など)とは別のものです。
山田錦だけを使う地理的表示「はりま」
日本酒の地理的表示(GI)「はりま(Harima)」は、原料の米と米麹に、兵庫県で収穫した山田錦だけを使うことが条件です。「はりま」を名乗る日本酒は、兵庫県産の山田錦でつくられています。