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松竹梅白壁蔵 — 震災のあと新しくなった灘の蔵で、発泡性の日本酒「澪」をつくる

  • Sake JP 編集部
神戸市東灘区青木のサンシャインワーフ神戸の広場から見た東神戸の港。舗装された広い広場の先に柵と海があり、その向こうに2本の主塔をもつ斜張橋の東神戸大橋が左右に架かる。対岸には工場や倉庫が並ぶ
白壁蔵のすぐ近く、サンシャインワーフ神戸から見た東神戸の港と東神戸大橋です。桂鷺淵 / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons

こんな人におすすめ

  • 日本酒を飲み慣れていないので、アルコール分の低い日本酒から試したい人(澪のアルコール分は5%です)
  • 日本語の案内でかまわないので、抽選・予約制の工場見学と利き酒に申し込んでみたい人(月に1日だけの開催です)
  • 全国で発売されている澪を、日本に滞在しているあいだに飲んでみたい人
  • 神戸・灘で、日本酒の資料館めぐりと組み合わせて酒蔵の町を歩きたい人

白壁蔵について

白壁蔵(Shirakabegura)は、宝酒造(Takara Shuzo)が兵庫県神戸市東灘区(Higashinada, Kobe)の青木(Ogi)に置く日本酒の蔵です。宝酒造は京都に本社を置く酒類の会社で、焼酎やみりんもつくっていますが、この蔵では日本酒をつくっています。

「松竹梅白壁蔵(Sho Chiku Bai Shirakabegura)」は、この蔵でつくる日本酒のブランドです。発泡性の日本酒「松竹梅白壁蔵『澪』(Mio)」も、この蔵でつくられています。宝酒造は蔵そのものも「松竹梅白壁蔵」と呼んでいるため、この記事では、蔵を「白壁蔵」、商品を「松竹梅白壁蔵」「澪」と書き分けます。

白壁蔵の工場を見学できるのは、宝酒造が月に1日開く、抽選・予約制の「利き酒体験会」だけです。案内はすべて日本語で、参加費は1人3,000円です(2026年10月6日確認)。

灘の酒造家が名付けた「松竹梅」

宝酒造の始まりは1842年です。京都・伏見(Fushimi)の四方(Yomo)家が、日本酒をつくって売る権利を譲り受けたことが原点です。

「松竹梅(Sho Chiku Bai)」という名前は、灘(Nada)から来ました。1920年に、灘の酒造家の井上信次郎が、日本酒の銘柄名として「松竹梅」と名付けました。松・竹・梅は、冬の寒さに耐えても美しさを失わない植物として尊ばれ、昔からめでたいものの印とされてきました。1933年には宝酒造の傘下に松竹梅酒造が設立され、「松竹梅」の販売に力を入れました。

白壁蔵は、灘五郷(Nada Gogo)と呼ばれる5つの酒造地区のうち、魚崎郷(Uozaki-go)の蔵です。宝酒造の灘工場は、1995年の阪神・淡路大震災で被災しました。宝酒造はこの工場を新しくし、2001年に「松竹梅白壁蔵」として開きました。灘という土地については、兵庫県のページにまとめています。

「澪」という日本酒

澪は、2011年6月に発売された発泡性の日本酒です。日本酒に親しみのない人にも飲んでもらえる商品をつくることを目標にして、開発されました。

「澪」は、浅瀬の水の流れや、船が通ったあとの泡の跡を指す言葉です。宝酒造は、浅さをアルコール分の低さに、泡の跡を発泡性にたとえ、日本酒に新しい流れをつくるという意味を込めてこの名前を付けました。ローマ字の「MIO」は、イタリア語で「私の」という意味でもあります。

アルコール分は5%です。原材料の表示は「米(国産)、米麹(国産米)/炭酸」です。味について、宝酒造は商品情報でこう書いています。

マスカットのようなフルーティーな香りとやさしい甘みが特長です。 ——宝酒造 商品情報「松竹梅白壁蔵『澪』」より

甘さをひかえたタイプの「澪〈CLEAR〉」もあります。澪は40か国以上へ輸出されています(2026年10月6日確認)。

参考小売価格は、150mlが343円、300mlが585円、750mlが1,452円です(税抜き)。2026年10月1日の酒税の税率改正にあわせて改定された価格で、300mlは改定前の579円から上がりました(2026年10月6日確認)。

アメリカの Takara Sake USA が売っている「Sho Chiku Bai」の日本酒には、カリフォルニア州バークレー(Berkeley)でつくられたものがあります。同社が売っている澪(MIO)は、灘でつくられた輸入品です。

手造りの原理を再現した設備と、人の手

白壁蔵は、昔ながらの手造りの原理を再現した新しい設備による日本酒づくりと、ほとんどを人の手で行う日本酒づくりの両方を備えた蔵です。体験会の工場見学では、この設備を見学者通路から見ることができます。

蔵の名前を冠した「松竹梅『白壁蔵』〈生酛純米〉」は、生酛(kimoto)でつくる日本酒です。生酛は、酵母や乳酸菌などの微生物の働きを利用する、江戸時代から続く日本酒の造り方です。この商品は、米と米麹と水だけでつくる「純米酒(junmai-shu)」で、冷やして飲むことを想定したタイプです。640mlの参考小売価格は1,255円(税抜き。2026年10月6日確認)です。生酛について詳しくは山廃のページで説明しています。

白壁蔵の出品酒は、令和7酒造年度(2025年7月から2026年6月まで)の全国新酒鑑評会(酒類総合研究所・日本酒造組合中央会の共催)で金賞を受けています。

酒蔵の案内

利き酒体験会(月に1日・抽選・予約制)

白壁蔵では、2026年9月から、月に1日だけ「醸造技術者から学ぶ利き酒体験会」を開いています。前半の約60分は、白壁蔵を紹介する動画を見たあと、工場の設備を見学者通路から見学します。後半の約60分は、松竹梅の6種類の日本酒を、白壁蔵の醸造技術者の解説を聞きながら利き酒します。体験会のほかに、一般の見学は受け付けていません。

利き酒体験会(2026年10月6日確認)
開催日 月に1日(土曜日)。午前10:00〜12:00と午後14:00〜16:00の2回
定員 各回6名。申し込みが定員を超えたら抽選です。4名に満たない回は中止になります
参加費 1人3,000円(税込み)。当選後にクレジットカードで事前に支払います。自己都合で取り消した場合、参加費は返金されません
申し込み 公式の体験会ページの応募フォームから。応募期間は開催日ごとにページに載っています
案内の言葉 すべて日本語です
年齢 20歳未満の人(小さな子どもを含む)は入場できません
利き酒できない人 運転する予定のある人、妊娠中・授乳中の人
来場の手段 車・自転車では来られません。駐車場もありません
そのほか 工場内は写真・動画の撮影ができません。香りの強い香水や整髪料、柔軟剤は控えてください。工場内にバリアフリーの設備はなく、階段や段差があります。開始から30分以上遅れると参加できないことがあります

参加すると、オリジナルの利き猪口(kiki-choko。利き酒に使う小さな杯)がもらえます。利き酒した商品の一部は、その場で買えます。支払いはクレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレスだけで、現金は使えません。郵送もできますが、送料は別で、クール便でしか送れない商品もあります。

行き方

所在地は神戸市東灘区青木2丁目1-28です。

  • 阪神電車(Hanshin Railway):阪神本線「青木」駅から歩いて約10分です。改札を出て南へ進み、国道43号線に沿って東へ歩きます。入口は東門です。青木駅は、阪神本線の大阪梅田駅と神戸三宮駅のあいだにあります
  • タクシー:「サンシャインワーフ神戸のすぐ近く、宝酒造白壁蔵まで」と伝えてください

青木駅に停まる列車と時刻は、阪神電車の青木駅のページでご確認ください。

青木駅の隣の魚崎(Uozaki)駅の近くには菊正宗酒造記念館、その隣の住吉(Sumiyoshi)駅の近くには白鶴酒造資料館があり、どちらも10名未満なら予約なしで入館できます(2026年9月30日確認)。詳しくは菊正宗(菊正宗酒造)と白鶴(白鶴酒造)の記事にあります。

営業日や見学の受け入れは変わることがあります。訪ねる前に蔵の公式情報をご確認ください。

白壁蔵のお酒の買い方

澪は、宝酒造が全国で発売している商品です。取扱いの有無と在庫は店によって違います。種類(澪と、甘さをひかえた澪〈CLEAR〉)はラベルの表示でご確認ください。

  • 白壁蔵:体験会の参加者は、利き酒した商品の一部をその場で買えます(キャッシュレスのみ)
  • 宝酒造オンラインショップ:利用できるのは日本国内に住んでいる人だけで、届け先も日本国内に限られます。澪は商品一覧にありませんでした(2026年10月6日確認)
  • 海外へ持ち帰る場合:100mlを超える瓶は、保安検査前の手荷物には入れられません。預け入れ荷物にするか、保安検査後の免税店でお求めください。乗り継ぎがある場合と、到着する国の持ち込み上限は事前にご確認ください。→ 旅のヒント

酒蔵情報

項目 内容
蔵名 宝酒造株式会社 白壁蔵(TAKARA SHUZO CO., LTD. Shirakabegura)
会社 宝酒造株式会社(本社 京都市伏見区。本社事務所 京都市下京区)
始まり 宝酒造は1842年(京都・伏見)。白壁蔵は2001年(震災で被災した灘工場を改めて開設)
代表者 代表取締役社長 渋谷尚己(宝酒造株式会社。2026年6月26日現在)
所在地 〒658-0027 兵庫県神戸市東灘区青木2丁目1-28 Google マップで開く
電話 078-452-2851(白壁蔵)/0120-120-064(宝酒造 お客様相談室。9:00〜17:00、土日祝日を除く)
代表銘柄 松竹梅白壁蔵(Sho Chiku Bai Shirakabegura)、松竹梅白壁蔵「澪」(Mio)
公式サイト https://www.takarashuzo.co.jp/products/seishu/shirakabegura/ (澪 https://shirakabegura-mio.jp/ )
蔵見学 月に1日の利き酒体験会のみ(抽選・予約制・有料・日本語のみ・20歳以上)
直売 体験会で、利き酒した商品の一部を販売(参加者向け)
英語対応 澪の公式サイトに英語ページあり